Neue Haas Grotesk あのHelveticaの元になったとされる金属活字がフォント化

info過去に運営していたフォントブログの記事を再編集して公開をしています。

Neue Haas Groteskとは?

Neue Haas Groteskの読み方はノイエ・ハース・グロテスク。直訳すると、ハース社(鋳造所)の新しいサンセリフ(グロテスク)書体という意味です。Helveticaの元になったとされる金属活字で、1957年に発表され、その後1960年にステンペル社がHelveticaとして発表しました。

そのNeue Haas Groteskをデジタルフォント化したのは、数々の有名書体や大手企業のカスタムフォントを手がけるCommercial TypeのメンバーであるChristian Schwartz氏。最初はLinotypeからのみ発売されていましたが、後に大手フォントファウンダリであるFont Bureauも取り扱いを開始しました。Font Bureauは、後手ながら特設サイトを開設するなど大々的にプロモーションをしていました(現在は閉鎖)。

残念ながら閉鎖されてしまいましたが、Webフォント全開のかっこいいサイトでした

Neue Haas Groteskのファミリー構成

本文用のTextにはRoman / Medium / Bold の3ウェイト、見出し用のDisplayにはXXThin / XThin / Thin / Light / Roman / Medium / Bold / Black の8ウェイト。それぞれイタリック体が存在するので、全部で3+8×2=22のスタイルがあります。見出し用のDisplayのほうにはThinと名の付くものだけで3種類もあり、細い書体が充実しています。

また本文用のTextは等幅数字が使えたり、小さいサイズでも可読性を維持できるように調整されていたり、見出し用のDisplayに関してはスペーシングが横広にならないよう調整されています。

Neue Haas GroteskとHelveticaはどう違う?

パッと見でNeue Haas GroteskとHelveticaを見比べられる強者はいないでしょう。ArialとHelveticaを見分けるゲームやコンテンツは数多く存在しますが、その難易度を遥かに超えます。とはいえ、Neue Haas GroteskにはHelveticaにはない特徴を備えています。

Helveticaの‘R’が好きじゃないという声を聞きますが(実は私もその一人)、そんな方にピッタリ!通常の‘R’のほかに、Akzidenz Groteskにようにシュっとしている‘R’の2種類のデザインを備えています。同じように ‘a’にも右下がくるんと曲がったデザインを備えています。OpenTypeフォント機能を使えるAdobeのソフトで切り替えることができます。

デザインのバリエーションボタンで切り替え可能

Neue Haas Groteskはどんなときに使うのか

当然のことながら、Neue Haas GroteskはHelveticaに一番近いHelvetica代替(オルタナティブ)書体になります。しかしながらNeue Haas Groteskに素晴らしい特長があるとはいえ見た目はHelveticaそのものです。

「Helveticaと見せかけて実はNeue Haas Groteskなんだぜ?」という自己満で終わるかもしれませんが、Helveticaをこの上なく愛する方、ちょっとした違いで差を付けたい方には是非このNeue Haas Groteskを使ってみるのはどうでしょうか。単語単位で比較するとHelveticaとほぼ同じではありますが、実際に文字を組んで並べてみると、その微妙な違いがはっきりと認識できます。

Neue Haas Groteskを使うには?

Neue Haas Groteskは、なんとAdobe Creative CloudやMonotype LETSから利用することができます。MyFontsで購入することもできます。私は2012年に数量限定セールに飛びついて購入しましたが、クラウドサービスで利用できるとはいい時代になりました。

arrow_forwardAdobe Fontsで「Neue Haas Grotesk」を使う

shopping_cartMyFontsで「Neue Haas Grotesk」を購入する

初稿:2012.8.7