2013.12.6 Friday - 20:11

2013年秋冬に発売された文字本・雑誌のまとめ+追加あり

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2013年の秋冬は、文字に関する本や雑誌がとにかく大豊作でした。ということもあり、和洋合わせるとかなりの数になったので、まとめてみることにしました。

紹介する前にお断りを。日々ライフワークとして文字本・雑誌をチェックをしているのですが、さすがに今回は全てを把握できていません…。購入してない本もありますし、中をちゃんと読んでいない本が多数あります。

それは私の年末の宿題として、皆さんもぜひ興味をもった本を読んでみてはいかがでしょうか。今後発売される予定の本や雑誌も一部紹介しています。

» 1. 2014年に発売された本
» 2. 和書
» 3. 雑誌
» 4. 洋書・洋雑誌
» 5. これから発売される書籍・雑誌

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1. 2014年に発売された本

欧文タイポグラフィの基本

近年はモリサワにフォントを提供するタイプファウンダリFont Bureauの書体デザイナーCyrus Highsmith氏が美大生向けに分かりやすく解説したタイポグラフィの入門書「Inside Paragraphs」の日本語訳本。監修は、Monotype社のタイプディレクター小林 章氏が担当しているとあって、必然的に期待してしまいます。当ブログの詳細なレビューも合わせてどうぞ。
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本を読む人のための書体入門

上述『文字の食卓』の著者である正木 香子氏の文字本第2弾。書体の選び方・味わい方を理解して、伝え方と読み方を変えるための書体入門とのこと。
出版社のサイト / Amazonで購入 / 楽天ブックスで購入

QUOTATION no.17

再度私の宣伝です。最近は不定期で文字やタイポグライフィのコラムを書いているアート・ファッション誌のCreative Galleryコーナーにて、今一番注目すべきあの人を取り上げた記事を執筆しました。2013年12月下旬発売予定。
QUOTATIONのサイト / Amazonで購入

2. 和書

ぼくのつくった書体の話 活字と写植、そして小塚書体のデザイン

日々アドビのアプリケーションを使うデザイナーさんにはお馴染みの日本語書体「小塚明朝」と「小塚ゴシック」のタイプデザインディレクター小塚 昌彦氏初の著書。活字や書体開発秘話など、とにかく濃い話が一冊に詰まっています。
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文字の食卓

石井細明朝やゴナ、タイポスなど、DTP普及とともに姿を消えつつも、依然ファンが多い「写植書体」をテーマにした正木 香子氏によるエッセイ集。文字関係者が大推薦、心から温まる内容となっています。
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一〇〇年目の書体づくり―「秀英体 平成の大改刻」の記録

2005年から続く大日本印刷 (DNP)のオリジナル書体「秀英体」の大改刻プロジェクトの記録をつづった一冊。モリサワパスポートに収録され、毎年アップデート毎に追加されている人気の秀英体の商品開発やデザイン、エンジニアリングなどが紹介されています。
大日本印刷社のサイト / Amazonで購入 / 楽天ブックスで購入

アシンメトリック・タイポグラフィ

2013年11月に東京のギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)にて開催されていたドイツのタイポグラファーであるヤン・チヒョルトの企画展。そのタイミングに合わせてか(どうかはわかりませんが)、本人著書の日本語訳本がリリースされました。
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ヤン・チヒョルト (Jan Tschichold) 展 図録

同じく2013年11月に東京のギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)にて開催されていたドイツのタイポグラファーであるヤン・チヒョルトの企画展の図録本。会場で展示されていた全作品が掲載されているほか、豪華執筆陣による詳しい解説も。会期中に会場で販売されていましたが、ggg、ddd、CCGA、さらに都内の青山ブックセンターでも購入できるとのことです。
ギンザ・グラフィック・ギャラリーのサイト

流行型女子文字素材集 女子タイポ。

思わず本のタイトルに釣られてしまったわけなのですが、“女子的”手書き文字の素材集ということで、かわいらしい素材がたくさん収録されています。使い方によっては女性向けでなくても全然いけそうですね。
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デザイン&文字の見本帳

国内の雑誌、書籍、広告など最新の文字デザイン事例が豊富にまとまっているデザイナーにはうれしい見本帳です。デザイン事例だけでなく、文字の基礎や解説記事もあるので勉強になります。
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じょうずなワニのつかまえ方 21世紀版

1986年に主婦の友社から出版された雑学本の復刻21世紀版。モリサワパスポート2013の新書体が掲載。単なる雑学本ではなく、日本のフォントメーカーによる様々な書体が使われており、雑学だけでなく書体見本帳としても役立つ便利な本です。
モリサワのサイトでWeb版じょうずなワニのつかまえ方が読めるほか、書籍は丸善&ジュンク堂、文教堂書店、青山ブックセンター、精文館書店、ヴィレッジヴァンガードで取り扱いがあります。
出版社のサイト / 丸善&ジュンク堂ネットストアで購入

まちモジ

当ブログですでに紹介済み、Monotype社で活躍するタイプディレクター小林 章氏による「フォントのふしぎ」に続く、カジュアルな文字本第2弾。日本の看板文字に丸ゴシックが多いのはなぜかという素朴な疑問から、看板文字や世界の街中文字へと話が広がっていきます。ぜひともデザイナーではない一般の方に読んでもらいたい一冊です。
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3. 雑誌

+DESIGNING Vol.34 2013年11月号

576ページにもおよぶ超分厚い「MORISAWA PASSPORT 本文組見本帖」の付録が話題を呼んだ+DESIGNINGの文字特集。大石十三夫氏によるInDesignやIllustratorを使った文字組テクニックのほか、和文や欧文書体の入門、Glyphs MiniやOTEditを用いたデザイナーのためのフォント制作記事も。
またAdobeのデザインマガジンチャンネルにてコラボ番組が2回にわたって企画されました。逃した方はアーカイブのSeason5「文字編」Season5「組版編」をどうぞ。
+DESIGNINGのサイト / Amazonで購入 / 楽天ブックスで購入

TYPOGRAPHY04

こちらも当ブログですでに紹介済み、近年静かなブームとなっている“手書き文字”に関する特集。カリグラフィ、レタリング、筆文字(書道)、手書き文字フォント、看板文字、相撲文字など、ありとあらゆる手書き文字について徹底的に取り上げられています。2013年11月に都内で開催された看板文字のワークショップは大盛況でした。
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idea(アイデア)No.362 2014年1月号

韓国・ソウルで行われた国際的な文字イベントタイポジャンチ2013 (타이포잔치 Typojanchi 2013) のイベントレポート記事が掲載されています。
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デザインのひきだし20

毎回度肝を抜かれる特集や企画で驚かされる「デザインのひきだし」にて、世界中のフォントやタイプファンダリ、タイプデザイナーをまとめるTypecacheが、欧文書体の見極め方の連載をスタートしています。
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印刷雑誌2013年11月号

印刷学会出版部による「印刷雑誌」2013年11月号の特集は書体と組版特集。モリサワ黒田 弓子氏の「文章を美しく見せる書体と組版」、大日本印刷の高橋 仁一氏の「フォント開発に取り組んで」、モリサワのタイプコンペティション2012の和文部門で金賞を獲得した岡野 邦彦氏の「和欧文書体のデザイン」。
印刷学会出版部のサイト

QUOTATION no.16

私の宣伝です。最近は不定期で文字やタイポグライフィのコラムを書いているアート・ファッション誌のCreative Galleryコーナーにて、モリサワのタイプコンペティション2012の欧文部門で金賞を獲得したオーストラリアの書体デザイナーDave Foster氏の記事を執筆しました。
QUOTATIONのサイト / Amazonで購入 / 楽天ブックスで購入

4. 洋書・洋雑誌

8 Faces #7

当ブログで何回か紹介中の「もし8書体しか使えなかったらどれを選ぶ?」をテーマにしたタイポグラフィマガジンの第7弾。8人の方に8書体を選んでもらい、さらにページ数はきっちり88という徹底的なこだわり。残念ながらすでにペーパバック版は品切れでPDF版のみ販売中。次回の#8にて一旦終了し、2014年にはこれまでの8 Facesが1冊にまとまった「The Collected 8 Faces」がリリースされる予定です。
8 Facesのサイト

Codex #3

世界的に有名な文字情報サイトI Love Typographyを運営するJohn Boardley氏による文字・タイポグラフィのジャーナル誌第3弾。Hamilton Wood Typeの特集をはじめとした濃い内容が凝縮されています。
Codexのサイト

Eye Magazine No.86

不定期で文字特集が組まれるロンドンのデザイン誌Eye Magazineの「ステンシル文字」特集。古典なステンシル文字から、最新のステンシルフォントまで幅広い書体見本が紹介されています。洋書を取り扱う大型書店か、Eye Magazineのサイトから購入可能。
Eye Magazineのサイト

Fifty Typefaces That Changed the World by Design Museum

たまたま代官山蔦屋書店で見つけたロンドンのDesign Museumの書籍。世界を変えた50書体を、Eye Magazineのライターとしてお馴染みのJohn L Walters氏が徹底解説しています。FuturaやDidot、Caslon、DINなどの定番書体の中にComic Sansも!Amazon.co.jpではKindle版のみ販売されているようです。
出版社のサイト / Amazonで購入(Kindle版)

Football Type

当ブログで紹介済み、サッカーのユニフォームに使われている書体を調べたという1,000部限定のチャリティ本。著者はTDC 2012で受賞した書体F37 Bellaや、書体のカードゲームType Trumpsで有名なRick Banks (Face37) 氏。この本のすごいところは、表紙に1から1,000までのナンバーが入ってること。すでに全ナンバー売り切れです。
Football Typeのサイト

5. これから発売される書籍・雑誌

Helvetica: I Love Helvetica (I Love Type)

特定の書体が使われた制作物だけを集めたビジュアル本I Love Typeシリーズの第7弾は、ついにあの王道Helvetica。2014年春頃発売予定?
出版社のサイト / Amazonで購入

Times: I Love Times (I Love Type)

上記Helveticaに続き、特定の書体が使われた制作物だけを集めたビジュアル本I Love Typeシリーズの第8弾はTimes!こちらも2014年春頃発売予定?
出版社のサイト / Amazonで購入

ここで紹介していない本や雑誌がありましたら、ぜひ教えてください。

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