2013.5.30 Thursday - 20:25
8 Faces #6 — もし8書体しか使えなかったらどれを選ぶ?をテーマにしたフォント好きのためのミニマガジン第6弾をレビュー
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FontFont8 Faces #6は、 Elliot Jay Stocks氏による「もし8書体しか使えなかったらどれを選ぶ?」をテーマにしたタイポグラフィやフォント好きのためのミニマガジン第6弾。過去に当ブログでは#5、#4、#3をレビューしています。
8 Facesのサイトから注文することでイギリスから郵送されますが、毎回印刷版(+PDF版)は限定2,000部ということもあり、早く売り切れてしまいます。また今回印刷版には、おまけでRosetta Type Foundryの書体見本帳がついてきました。
各々インタビュー記事+8書体の選出という構成は、シリーズ通して変わっていないため、詳細は過去の記事を参照いただくということで、今回の8人のうち、私が気になった3人(2人+1組)をピックアップしてみます。
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Seb Lester
3人目に選ばれているSebastian Lesterさんはタイプデザイナー・カリグラファーで、過去にはMonotype社でタイプデザイナーとして働いており、大手企業のカスタム企業書体を多数手がけた実績のある方です。
彼のデザインした書体で有名なのは、私自身も超愛用しているNeo Sans。2010年のバンクバーオリンピックや、Intel社のカスタム企業書体のベースにもなっているそうですが、昔のNASAのロゴからインスピレーションを受けていることを知りました。見た目そのままにネオなサンセリフ体。おすすめです。
タイプデザイナーとしても有名ですが、素晴らしすぎるカリグラフィ・タイポグラフィ作品も見逃せないです。人気作品は売り切れ必至ですが、作品をネットで購入できるみたいです。
実はDreamsというタイポグラフィーポスターを入手できそうな機会があったのですが、残念ながらゲットできず(泣。
Nina Stössinger
4人目に選ばれているNina Stössingerさんは元々Webデザイナーだったそうですが、自身初のオリジナル書体FF Ernestineを、大手フォントブランドであるFontFontからリリースしました。文字が好きすぎて作ってしまうその情熱に頭が下がります。
タイプライターの文字からインスピレーションを受けた「親しみやすいスラブセリフ体」のコンセプト通り、‘g’や‘c’の見られるクルンとしたターミナル部分が可愛いです。またリガチャー(合字)やオルタネート文字、スモールキャップや数字など、OpenTypeフォント機能盛りだくさん。詳しくはFF Ernestineの特設サイトをどうぞ。
Eric Olson & Nicole Dotin (Process Type Foundry)
7人目と8人目に選ばれているのは、Process Type Foundryのお二方。当ブログでも紹介済み、FacebookロゴのベースとなったとされるKlavikaを始め、私自身も愛用するColfaxなどモダンでかっこいい書体を多数リリースしています。
8書体の1つに1997年にDave FareyがデザインしたCachetが選ばれているのですが、この書体こそが、Klavikaを始め、後にリリースされている四角系サンセリフ体 (Square Sans) のルーツだそうです。知らなかった…。
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というわけで、自分の好きな書体がある、そしてそれについて語ることができるというのは素敵なことだと思いました。
「あなたが好きなら、私もその書体好き★」みたいな感じで良いと思いますし、皆さんも是非お気に入りの書体を探してみてください。
8 Faces
http://8faces.com/
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