2011.1.17 Monday - 12:31
フォントのふしぎ — 欧文書体デザイナー小林 章氏によるフォントコラム集
フォントフリークの間では発売前から話題沸騰となっていた、ドイツLinotypeで活躍されている小林 章氏による著書第3弾「フォントのふしぎ」。すでに随所で取り上げられていますが、当ブログでもレビューさせていただきたいと思います。
小林さんの著書は「欧文書体」「欧文書体2」が過去にリリースされていますが、今回は「欧文書体3」というタイトルではなく、しかも“書体”ではなく“フォント”というキーワードになっていることからも分かるように、プロフェッショナル層向けというよりは、どちらかといえばエントリー層向けな内容となっています。
…と僕が言ったところで客観的なレビューにはならないので、試しに一般人(フォントがPCにたくさん入っていることは知っている)にこの本を読んでもらったところ、率直になるほど、へぇ〜、おもしろい!との感想が出てきました。
内容は著者のブログであるデザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」のコラムがベースですが、ほとんどは初出、もしくは大幅加筆をされているそうです。
一通り読み終えての僕の感想を箇条書きにて。
- 美しい書体は、できるだけ飾らずそのまま使いたい
- ヘルマン・ツァップさんの奥さんもタイプデザイナーだったとは知らなかった
- パリのメトロに使われている書体は今も昔も素晴らしい
- DINが世界中で人気である理由が改めて分かった
- 合字を使いこなせるようになりたい
- gy、Th合字があったとは知らなかった
フォントフリークやデザイナーの方にはフォントの知識向上に、一般の方にはフォントの仕組みやトリビアを知るために、とにかくみんなが楽しめるフォントのお話本です。
デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」
http://blog.excite.co.jp/t-director/
フォントのふしぎ(美術出版社)
http://book.bijutsu.co.jp/books/2010/12/post_391.html