2010.3.12 Friday - 10:00
新設計書体〈ゴシック4550〉 — 営団地下鉄用に設計されたサイン書体の資料集
ようやく手に入れたのでレビューします。
ゴシック4550は、1970年代に営団地下鉄(現:東京メトロ)用に設計されたサイン用の書体です。その資料集がこの新設計書体〈ゴシック4550〉です。
書体名の“ゴシック4550”の4550は、見やすさに配慮し、縦横比が45:50となっているためです。ちなみに呼び名は「ごしっく よん ご ご まる」だそうで。
本の中身について、基本的にはレタリング本であるため、ダーっと文字が並びますが、前半にゴシック4550の特長と、開発の目的、欧文書体NEO MEDIUM ’80についての解説があります。NEO MEDIUM’80はAkzidenz Groteskがベースになっている…ということでしょうか?
また次に企画しているNEO BOLD’Xの基礎となるものである…との記述があるのですが、NEO BOLD’Xとは一体…。興味深い内容が盛りだくさんです。
この資料集は初版が昭和55年と、かなり古い本であるため、古本屋などで見つかりそうです。一応Amazonのマーケットプレイスにも取り扱いがあるみたいです。(→売り切れたみたいです。)
現在東京メトロでは新ゴ+Frutigerを使った新しいサインデザインに切り替わっていますが、今現在でもかなり残っています。でもいずれは無くなってしまうんでしょうか。どことなく昭和の香りがしますね。
ちなみにこのゴシック4550は、かつてMicrosoft Officeに収録されていたらしいです。はてブコメントによると、MS Office4.3 for Windows 3.1に収録されてたようです(情報ありがとうございます)。フォントとしての入手は困難であり、そういった意味でも伝説の書体といえるでしょう。
perryの日記 – 4550(MS Office4.3 for Windows3.1について)
http://d.hatena.ne.jp/japanese_perry/20061023/1190656021
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