2014.1.10 Friday - 20:09

欧文タイポグラフィの基本 — 分かりやすいイラストで欧文組版を徹底解説!初心者向け教科書の決定版

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本書はUSのフォントファウンダリFont Bureauの上級タイプデザイナーであるサイラス・ハイスミス (Cyrus Highsmith) さんが初心者向けに分かりやすく解説した入門書 「Inside Paragraphs: Typographic Fundamentals」の日本語版です。

欧文タイポグラフィの基本 表紙

日本語版の監修は、本書に絶賛をしたというMonotype社にて世界的に活躍するタイプディレクターの小林 章さん、翻訳は書体デザイン関連の翻訳を手がける田代 眞理さん、DTPは欧文組版のセミナーで活躍するコン トヨコさん、編集にはTYPOGRAPHY誌を手がける宮後 優子さんと、まさにゴールドメンバーで構成されています。

サイラス・ハイスミスさんとはどんな人物?

その前にサイラス・ハイスミスとはどのような人物なのでしょうか。

彼が所属するFont Bureauは、1990年代後半から様々な高品質書体を提供する老舗のフォントファウンダリです。Font Bureauの一部の書体は、近年モリサワパスポートにも収録されているため、すでに使ったことがある方も多いはず。彼が携わった書体は、Font Bureau内の個人ページをご覧ください。

モリサワのタイプデザインコンペティション2012では、欧文部門で審査員を務め、後に開催されたセミナー等で来日しています。タイプデザイナーとしての活動にとどまらず、独特のタッチを持ったイラストレーターとしても活躍中。日本で放送されていた怪獣ものが大好きで、強い影響を受けているとのことです。

サイラスさんについてもっと詳しく知りたい方はTypecacheのインタビュー記事(英語)をご覧ください。

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本書最大の特徴は欧文タイポグラフィの解説が、イラスト+本文の見開きで完結していること。そのためどのページから開いてもOK!100ページ弱しかないので挫折せず気軽に楽しみながら読むことができそうです。イラストの割合が非常に大きく、しかも簡潔で分かりやすいです。

欧文タイポグラフィの基本 1

欧文書体やフォントについて学び始めると頻出する、カウンター、トラッキング、カーニング、スペーシング、アセンダーやディセンダーなど、あれ?どこのことを言うんだっけ?と忘れてしまう数々のキーワードがイラストで分かりやすく解説されています。

欧文タイポグラフィの基本 2

また初心者向けに分かりやすく解説した入門書ということで、初心者を対象としているようにも思えますが、「3文字のグループを重ねながらスペーシングを調整するとよい」 など、実践ですぐに使えるテクニックがたくさん紹介されているのも大変ありがたいです。

欧文タイポグラフィの基本 3

余談ですが…本書の表紙、最初何の模様なんだろうと思っていましたが、実はこれ、ある文字とある文字が組み合わさったものなんですね!我ながら気づくのが遅すぎでした。皆さんは気づきましたか?

欧文タイポグラフィの基本 4

本書の刊行を記念して、TypeTalks第20回 サイラス・ハイスミスさんのトークイベントが2014年1月22日(水)に開催されます。場所は東京・表参道青山ブックセンター本店です。サイラスさんと近い距離でお話することができるそうです!

また2014年1月21日(火)には、都内にてモリサワ主催の第2回タイプデザインコンペティション特別セミナー「タイプデザイナーの視点」、2014年1月24日(金)には大阪にて開催されるモリサワ 第12回モリサワ文字文化フォーラム 「文字とデザイン Vol.4」にも登壇されます。

*誌面サンプルは出版社の方に提供いただきました。どうもありがとうございました。

Inside Paragraphs: Typographic Fundamentals
http://insideparagraphs.com/

欧文タイポグラフィの基本(グラフィック社)
http://www.graphicsha.co.jp/book_data.php?snumber3=1393

Font Bureau People: Cyrus Highsmith
http://www.fontbureau.com/people/CyrusHighsmith/

Typecache Interview #01: Cyrus Highsmith
http://typecache.com/interviews/01/

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