2012.9.20 Thursday - 09:47

たのしいロゴづくり — 文字の形をヒントにロゴデザインを行うための実践本

たのしいロゴづくりは、デザイナーの皆さんにはお馴染みの大型デザイン書、ピエブックスの装丁やロゴデザインなどの実績があるHappy and Happyの甲谷 一さんの書籍。既刊されている「きれいな欧文書体とデザイン」のシリーズ本にあたります。

今回は書名の副題“文字の形からの着想と展開”の通り、文字の形をヒントにロゴデザインを行うための実践本となっています。

デザイナーでなくてもロゴが大好きだという方は多いはず。ただ実際にロゴマークを作るとなると話は別で、アイデアやコンセプトを極限までに削ぎ落したマークやタイプフェイスに落としこむのは至難の業。

一見ただの図形、単なる文字列に見えるあのロゴは、実は幾度なく微調整が繰り返されてようやく完成へと至ります。

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まずは欧文書体を使ったよく使われるロゴ作成のテクニック14種類。もちろんこれらのテクニックを単純に取り入れるだけでは駄目です。なぜ文字を組み合わたり、切ったり、伸ばしたりする必要があるのか、アイデアやコンセプトと照らし合わせることが大事です。

文字の形を知るための便利な一覧ページ。例えば同じ“A”であっても、書体のデザインによって様々な形をしています。どういった種類があるのか知っておくとバリエーションの展開がしやすいはず。AからZまであります。

上記の内容に続いて、サンプルで取り上げられた書体の一覧ページも。

欧文だけではありません。和文書体を用いたロゴデザインのテクニックも7種類紹介されています。和文ロゴになると一気に難易度が上がりますね。

最後に甲谷さんの最近のお仕事から、どのようにして1つのロゴが完成に至ったのかがフローとしてまとめられています。

非常に親しみやすい構成なので、すでに現場で働くグラフィックデザイナーさんだけでなく、美術系大学に通う学生さんにもきっと役に立つはず。

本書の冒頭にも書かれている通り、“基礎的な技術を学び、色々な文字の形を知り、質の高いロゴをたくさん見て、しっかりと自分の頭で考える”課程を支える実践的な内容が詰まっています。

著者の甲谷さん自身も、

多くの方にできるだけやさしく愉しく、ロゴづくりの面白さに触れて頂ける本をつくりたいと考えました。

基礎的なロゴの技術をはじめ、A~Zのいろいろな文字の形を知っていただくこと、そして、実際の仕事のメイキングを通して、クライアントからの要望をどのように受け止めて、デザインしていくのかをご紹介したいと思っています。

と述べています。

日々ロゴ制作に悩んでいる方、是非読んでみてください。

※誌面の画像は著者の甲谷さんに提供いただきました。ありがとうございました。

Happy and Happy
http://happyandhappy.jp/

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