2012.2.7 Tuesday - 10:19

モリサワがクラウドフォントサービス“TypeSquare”の詳細を発表:聞いてきたことをまとめてみる

昨年2011年の夏頃、モリサワがクラウドフォントサービス“TypeSquare”を予定しているとの発表があり、首を長くして待っていたところでしたが、印刷業界の毎年恒例イベントpage2012に合わせるかたちで、本日詳細が発表されました。

» モリサワ クラウドフォントサービス「TypeSquare」を開始
» モリサワ 「TypeSquareオープン記念 ¥0キャンペーン」を発表

料金体系などのサービス概要は上記ニュースリリースをご覧いただければと思いますが、今回モリサワの記者発表に同席できるという縁があり、担当の方から色々聞いてきましたのでまとめてみます。

なぜ“Webフォント”ではなく“クラウドフォント”?

気になったので思わず質疑応答で聞いてしまいました(笑)。Web関係者の間では、Web上で任意の書体が使える技術は、海外であってもWebフォント (Webfonts) で通っているはず。モリサワとしては、Webフォントに留まらず、将来を見据えているため、敢えて“クラウドフォント”としているそうです。またWebフォントよりも、クラウドフォントのほうが知識がない人にも伝わりやすいからとのこと。

対応ブラウザ・端末は?

Internet Explorer 8.0–、Firefox 3.6–、Safari 5.0–、Opera 10.0–、Chrome 10.0–、iOS 4.2–、Android 2.2–に対応。ここで気になるのがやはり、IEが8.0からの対応となっている点。一応IE6や7にも、EOT形式で対応はしているものの、Windowsの旧環境では文字が汚くなってしまい理想のレンダリングができないため、推奨環境としては敢えて外しているそうです。IE6や7が撲滅するきっかけになればうれしいとのこと。

日本語フォントのデータ容量問題はどのように解決しているのか

欧文フォントは1バイトであるため容量が小さいですが、2バイトの日本語フォントとなると話は別。読み込み時にストレスや負荷がかかってしまうのではという懸念がありますが、すでにオープンしているフォントプラスと同じように、読み込み時に使われている文字を瞬時に判断して、必要な文字だけのフォントデータを生成するダイナミック・サブセッティングの技術を導入しているそうです。なのでレンダリング時に数秒のタイムラグが発生します。

モリサワ以外のフォントメーカーのフォントは使えるのか

当面はモリサワブランドの154書体だけだそうですが、傘下にあるタイプバンクやリョービなどのフォントは調整中とのことです。

なぜ¥0キャンペーンを行うのか

ある意味モリサワさんらしくなくて、正直これにはビックリ。バナーが出る等、特に目立った制約はないそうで随分思い切ったキャンペーンだと思いました。目的としては、やはりWebフォントという技術の普及だそうですが、キャンペーン中色々な方に利用してもらいフィードバックをもらえればとのこと。

まだ管理画面のほうは開発中とのことで、今回公開されませんでした。いずれにせよ2月22日の正式オープンが楽しみです。

あと個人的にはモリサワパスポートのほうと連動した何かがあるとうれしいと思いました。ちょっと安くなるとか、優先的に使えるとか。

TypeSquare
http://www.morisawa.co.jp/typesquare/

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