2009.6.22 Monday - 22:54
VAG Rounded (VAG Rundschrift) — 元はフォルクスワーゲンのCI書体、現在はWeb2.0なロゴなどに幅広く使われる書体
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VAG RoundedVAG Roundedは、ドイツの大手自動車メーカーVolkswagen AG(フォルクスワーゲン)のCI用書体として、1979年ごろ制定された書体です。Wikipediaによると、1990年後半には使用をやめて、Adobeへとライセンスが渡り、今日幅広く使われています。
ドイツ生まれなので、VAG Roundedはファウ・アー・ゲー・ラウンディッドと読みます。ドイツ語のVは濁らないので。またドイツ語でVAG Rundschriftとしても知られています。
とても数十年前に作られたとは思えないほど今風に感じてしまうのは、近年Web2.0的なサービスのロゴに幅広く用いられていることが挙げられます。例えば、いずれも海外のサービスですがClipShark、Zimbra、Wayfaring、Twitlogoなどなど。またアップルのノートパソコンのキーボードにも採用されたときがありました。
日本ではそんなに使われていないですが、ヨーロッパの街中を歩いているとしょっちゅうこの書体を見かけます。私自身もかなりのお気に入りです。
またVAG Roundに似た書体がいくつかあるのですが、ここで一度比較をしてみたいと思います。
Frankfurtは1970年代のレトロフォント、Hevletica RoundedはHelveticaの丸っこい版、HirukoはHype for Typeのフォントです。Helvetica RoundedはベースがHelveticaなので他と骨格が違いますが、こうしてみるとVAG Roundedは、他の何でもないVAG Roundedであることが分かるかと思います。
ライセンスで色々なバージョンがありますが、Linotype版とAdobe版には4種類のウェイト(Thin、Light、Bold、Black)あるので、こちらがおすすめでしょう。ちなみにTrueType フォントパーフェクトコレクションにもBoldのみ収録されてます。
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